はじめに
- Q亡くなった愛犬の遺骨でアクセサリーを作りたいけど法的に問題はある?
- A
人間の骨であれば別ですが、ペットの遺骨を使用してアクセサリーなどを作成しても特に問題はありません。
愛犬や愛猫が亡くなり、火葬したあとの遺骨でアクセサリーを作りたいという方もいらっしゃると思います。今まで一緒に連れ添って来たのだから、亡くなった後もその一部を身に付けていたいというのは当然の感情かもしれません。ただ、亡くなったペットの遺骨でアクセサリーを作ることに法的な問題はあるのでしょうか。
本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。
ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。
本コラムではペットの遺骨をアクセサリーにすることは違法かどうか解説いたします。また、人骨の場合との比較も紹介いたします。
結論から言うと、ペットの遺骨を使用してアクセサリーを作ることも所持することもなんら問題ありません。
法律等の規定
刑法
刑法第百九十条に次のような規定があります。
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。刑法 | e-Gov法令検索
死体損壊等に関する規定です。遺骨を損壊した場合は懲役刑が規定されていますが、これは人の骨のことであり動物の骨は含まれません。
廃棄物処理法
また、廃棄物処理法第二条には次のような規定があります。
第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | e-Gov法令検索
大変悲しいことですが、法律上は動物の死体は一般廃棄物として扱われてしまいます。よって、人の死体等に関しては様々な規制がありますが、ペットの遺体や遺骨に関しては法律的な規制はほとんど無い状態です。ペットと言え一つの命ある存在ですので、この点は法改正が必要だと考えます。
墓地埋葬法
人骨をアクセサリーにすることもあります。先に解説した死体損壊等に関する規定ですが、人骨の場合であっても供養を目的とした粉骨であれば問題とならない場合がほとんどです。
また、墓地埋葬法第四条に次のような規定があります。
第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。墓地、埋葬等に関する法律 | e-Gov法令検索
よって遺骨を墓地以外の場所に埋葬することはできませんが、遺骨をアクセサリーとして手元に置いておくことは一種の分骨であり、手元供養の一つとなります。
おわりに
本コラムではペットの遺骨をアクセサリーにすることは違法かどうか解説いたしました。
大変残念な理由からペットの遺骨に関してはアクセサリーにすることは問題ないということがわかります。とは言え、飼い主さんからすると法律上は問題なく遺骨をアクセサリー等にすることが可能です。現在は加工等を行う専門家もいるようですので、そういった方に頼むのも良いかもしれません。