ペット霊園事業と規制等に関して

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ペット霊園事業

・ペット霊園を見かけるが、法律上はどういう規制があるのか

人のお墓のようにペットのためのお墓があります。多くのペットを埋葬するようなところをペット霊園という場合が多いです。宗教団体や寺院などがペット霊園を同時に行っているケースもあります。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムではペット霊園事業と規制等に関して解説いたします。読んでいただくことで、ペット霊園に関する規制などをご理解いただけます。

結論を言うと、現状ペット霊園に関する法律は存在しません。よって事業としての参入障壁は低く、またこれにまつわるトラブルも多くあります。

規制する法律はないが自治体によっては条例で規制される

人のお墓や埋葬に関する法律としては墓地埋葬法がありますが、ペット・動物に関しては規制法が存在しません。廃棄物処理法では残念ながら動物の死体は一般廃棄物に該当します (廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | e-Gov法令検索)。

現状法律が存在しない状態ではありますが、ペット霊園に関するトラブルは多くあり、早急な法整備が必要です。こういった状態の中、自治体によっては条例で規制を行うところも増えています。

墓地埋葬法

人のお墓等に関しては墓地埋葬法があります。同法第二条第四項に次のような規定があります。

4 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。
墓地、埋葬等に関する法律 | e-Gov法令検索

ただし、ここでいう「死体」は人の死体です。動物の死体は含まれません。

千葉県市原市の条例

千葉県市原市では条例によってペット霊園事業を規制しています。

第3条 市原市内においてペット霊園を設置しようとする者は、市長の許可を受けなければならない。ただし、自己の利用に供する目的でペット霊園に該当する施設を設置する場合を除く。

2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に許可申請書を提出しなければならない。
市原市ペット霊園の設置の適正化に関する条例

このように自治体によっては独自で条例を定め、規制している場合があります。もし、ペット霊園事業を行おうと考えている場合は、事業を行う場所を管轄する自治体の条例を調べてみて下さい。

トラブルを避けるために

このように法律による規制はなく、現状自治体の条例による規制のみのペット霊園ですが、たとえ規制が少なくとも事業を行う場合はトラブルがおきないように注意する必要があります。

場所には要注意です。先の千葉県市原市の条例内でも距離制限やその他ペット霊園の施設に関する制限が規定されています。

第4条 市長は、前条の許可の申請があった場合において、次の各号に掲げる基準に適合していると認められるときでなければ、前条の許可をしてはならない。

(1) 現に人の居住する建造物(以下「住居」という。)からペット霊園を設置しようとする土地(以下「設置予定地」という。)の境界までの距離が、50メートル以上であること。ただし、設置予定地の境界から50メートルの範囲内に住居がある場合で居住する世帯の代表者の相当数以上の同意があるときは、この限りではない。
(2) ペット霊園を設置する場所は、沼地、河川地等水はけの悪い土地でないこと。
(3) ペット霊園の境界には、障壁又は密植したかん木の垣根等を設けること
(4) ペット霊園の出入口には、門扉を設けること。
(5) ペット霊園内には、適当な排水路を設け、雨水又は汚排水が停留しないようにすること。
(6) 焼却炉には、防臭、防じん及び防音について十分な能力を有する装置を設けること。
市原市ペット霊園の設置の適正化に関する条例

たとえ事業予定の場所を管轄する自治体にこういった条例がなくとも上記のような制限を例に実施する方が安全です。

ペット霊園と言えど、要はお墓です。人の墓地の周りのマンション等は心理的瑕疵があると説明されることもあるように、ペット霊園についても人によっては心理的にあまり良く感じないことがあります。人が住んでいるような場所は避けることや、壁などでお墓を外から簡単に覗けないようにするなど配慮が必要です。

おわりに

本コラムではペット霊園事業と規制等に関して解説いたしました。

現状法律による規制はありませんが、今後トラブルの増加とともに法整備が行われる可能性があります。事業を行う場合は、法整備が行われたとしても問題なく運営できるよう、各自治体の条例を参考に、近隣に配慮した事業を行うよう心がけて下さい。

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