野良犬や野良猫、鳩などへの餌やりの違法性について解説

ペットトラブル
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野良犬などへの餌やりは直接違法とはならない

・鳩に餌をあげる人がいて、フンのニオイが迷惑

・野良猫に餌付けをしている人のせいで近所に野良猫が集まっている…

野良犬や野良猫、鳩やカラスに餌をあげる方がいます。善意で行っているのかもしれませんが、場合によっては近隣住民の方等に迷惑がかかることもあります。

直接注意しても聞き入れられることは少ないですし、喧嘩になっては危険です。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムでは野良犬等への餌やりについての違法性と対策方法を解説します。本コラムを読むことで野良犬等への餌やりにどう対応するべきかがわかります。

結論から言いますと、野良犬等に餌を与える行為自体をすぐに違法とすることはできません。しかし、場合によっては違法となり得る可能性もあります。

違法となり得る場合もある

野良犬等に餌をあげる行為自体は違法ではありませんが、その程度等によっては違法となる場合があります。

動物愛護法での規定

動物愛護法第二十五条では餌やりや水をあげることにより、鳴き声などの騒音、糞尿や食べ残しからくる悪臭、毛の飛散、昆虫やねずみの発生等により、

  1. 周辺住民の日常生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であり
  2. 複数の周辺住民からの都道府県知事への苦情の申し出等により、周辺住民間で共通の認識と認められる事態及び
  3. 周辺住民の日常生活に特に著しい支障を及ぼしているものとして特別の事情があると認められる事態

であれば、都道府県知事は当該事態を生じさせている者に対し、その事態を除去するよう勧告することができます。

また、この勧告の後必要な対処がない場合は都道府県知事は必要な措置をとるよう命ずることができます。

この命令に違反した者は50万円以下の罰金に処されます。

また、餌やりなどで動物が衰弱するようなことになると、場合によっては都道府県知事は必要な対処をするように命ずることもでき、これに違反した場合も50万円以下の罰金です (動物の愛護及び管理に関する法律 | e-Gov法令検索)。

条例によっては餌やりを禁止している場合も

長崎県対馬市の条例では自分の飼養していない猫に餌や水を与えることを禁止しています。

第19条 市民及び市内に滞在し、又は市内を通過する者は、自ら飼養又は保管していないネコに対し、みだりにえさ又は水を与えてはならない。

対馬市ネコ適正飼養条例

このように法律では餌やりは直接禁止とはなっていませんが、条例で禁じられている場合もありますので、詳細は各自治体の条例を参考にしてみてください。

おわりに

動物が可愛くてつい餌をあげてしまう気持ちもわからなくはありません。

しかし、それによって周辺住民に迷惑がかかってしまっては動物との共存は難しくなりますし、なにより自分で最後まで面倒を見れないのであれば中途半端に餌やり等はするべきではないと私は考えます。

動物と人間が共存していくためには、法律や条例を守った上で適切な距離感で関わっていくのがそれぞれの為になるのではないでしょうか。

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