犬のしつけと虐待の境界線を解説

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しつけか虐待か

・近所の犬が虐待されているのか分からない

・虐待ではなくしつけだと言われたらどうしよう

犬を飼い始めると色々とすることがありますが、その一つにしつけがあります。おすわりや待て、伏せなどは覚えさせておいたほうが人間と共存していくのに良いですし、飼い主さんの言うことを聞いてくれるようにしつけをしておくと他の人や動物に危害を加えるのを防ぐこともできます。

また、トイレを覚えてもらうことや人を噛まないようにしてもらうこともしつけです。しかし、初めからおすわりやトイレができる訳ではないので、そこは飼い主さんの責任で教えないといけません。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムでは犬のしつけと虐待の境界線を解説いたします。実際境界線はビシッと引けるものではないですが、虐待とみなされる可能性のある行為などを挙げていきます。

重要なのは「しつけ」をするのであって、決して「虐待」になってはいけないということです。では、どこまでがしつけで、どこからが虐待なのでしょうか。

しつけと虐待の境界線

例えば暴力を振るうことは明らかに虐待です。

しかし、しつけと虐待の境界線はかなり曖昧です。ここでは虐待となる可能性が高い行動を具体例として挙げます。

説明
叩くなどの体罰 説明するまでもありませんが、体罰を用いた恐怖による支配は虐待です
ごはんや水をあげない 犬が衰弱してしまう可能性がある行為も虐待と言えます
トイレを掃除しない こちらも衛生状態が悪化し、犬の体調に害を与えるので虐待と言えます
過剰に大声で叱る 程度によりますが、恐怖での支配になり虐待の可能性も出てきます
過度な閉じ込め ケージに入れる事自体は問題ないですが、悪いことをしたときなどに閉じ込めると「ケージ=お仕置きの場所」と認知されてしまい、安心できるところが減ってしまいます
放置 お世話をしてないこととほぼ同義です。程度によっては虐待となる可能性があります

このようにある行動それ自体は虐待ではなくとも、程度が過ぎると虐待となる可能性が高くなるものもあります。上記はあくまで一例でそれ以外はすべて虐待ではないという訳ではありませんので注意が必要です。

しつけはワンちゃんを「支配下に置く」ことではなく、ワンちゃんが他のワンちゃんや人とふれあい、生きていくために「助ける」ことです。

愛護動物の虐待は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です (動物の愛護及び管理に関する法律 | e-Gov法令検索)。

しつけで気をつけること

基本的にはしてほしくないことをした時に叱るのではなく、してほしいことができた時に褒めるのが良いでしょう。

待てをしたらその場に留まってくれたらおやつをあげる、お散歩で飼い主さんのそばを歩けたら褒めてあげるなどです。

また、トイレ以外の場所、例えばソファの上や床でうんちやおしっこをしてしまった時は叱るのは避けるべきです。ここで叱ってしまうとワンちゃんは「うんちやおしっこをしたらだめなんだ」と思ってしまいます。この場合はさっとワンちゃんをトイレの上に移動させるのを繰り返すと良いでしょう。

叱るときもワンちゃんの名前で叱ってはいけません。自分の名前=怒られるときの言葉と理解してしまいます。お世話をする人が複数人いる場合は叱るときの言葉を統一しておいたほうがよいでしょう。

人に噛み付くのをやめるようしつけをする際は、ワンちゃんと遊んでるときなどに、噛んだら遊ぶのをやめるというのを繰り返すと、噛む楽しい時間が終わってしまうと認知され徐々に噛まなくなってくるでしょう。

参考: 日本ペットシッターサービスイオンペット愛犬お悩みブログ

おわりに

本コラムでは犬のしつけと虐待の境界線を解説いたしました。

自然と何もせずに人間の生活に適した行動を取ってくれるワンちゃんはいません。教えないといけません。しかし、知らず知らずのうちに虐待にならないように気をつけてしつけをしましょう。

東京都動物愛護相談センターのサイトでもしつけに関するコラムがあります (子供と犬がともにハッピーに暮らすために〜家庭犬しつけインストラクターからのアドバイス〜 | 東京都動物愛護相談センター ワンニャンとうきょう)。

必ずしも全て飼い主さんのしつけで解決しない場合もあります。その際は獣医師やしつけトレーナーに相談するのも一つの手段でしょう。

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