はじめに
- QSNSで飼えなくなった犬の里親を探しているけど、注意点はある?
- A
トラブルを避ける為に譲渡前には契約書を交わしましょう。また、譲渡において謝礼をもらうと無登録営業とみなされる可能性があるため注意してください。
様々な理由でペットを飼い続けることが出来なくなる方がいます。終生飼養が原則ですので本来はあまりよくありませんが、事実困難であれば無い袖は振れません。最近では譲渡したいペットと里親をマッチングさせるサイトの利用や、SNS等で里親を募集される場合もあります。しかし、こういったサービスを利用する際も注意しなければいけないことがあります。
本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。
ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。
本コラムではSNSや譲渡マッチングサイト等で里親を探す際に注意しなければいけない点を解説いたします。インターネットの発達によって里親探しの敷居が低くなっていますが、専門知識の少ない人が簡単に参加できてしまうため、知らず知らずのうちに法律に違反してしまいやすくなります。場合によっては罰金に処される可能性もあるので気をつけて下さい。
こういったサービス利用時の注意点は、謝礼を貰わないことと、契約書を交わすことです。
里親探しの注意点
譲渡の際に謝礼を貰うのは原則NG
譲渡なので謝礼は普通ありません。しかし、よく内訳のわからない「費用」といった言葉でいくらか金銭を要求している場合も散見されます。謝礼を受け取ってしまうと、動物販売業とみなされる可能性があり、動物販売業は第一種動物取扱業の登録を受けていないといけないため、無登録営業となってしまいます。
金銭は1円でも駄目ですし、金銭以外の物でも対価を受け取るとアウトになる可能性が高いです。違反すると100万円以下の罰金に処される可能性があります。餌代などの実費のみであれば違法とならない可能性もありますがリスクがあるので慎重になる必要があります。詳細は以下のコラムで解説しております。
ペットの安全の為に契約書を交わす
終生室内飼育等の条件をつけて譲渡を行っても、それを守らない里親もいます。譲渡後ワクチンを打つことを約束したのに打ってくれなかったり、適切な散歩をお願いしたのにしてくれなかったりと何かとトラブルが起こるとペットのためにもなりません。
譲渡の際に口約束だけだと、こういった事態が起きた際にペットの返還を求めることができず助けることができません。これを防ぐには返還条件等をしっかりと記載した契約書を譲渡時に交わしておきましょう。何かあった時にペットの安全を守れるのは契約書です。詳細は以下のコラムで解説しております。
おわりに
本コラムではSNSやWebサイトで犬や猫の里親を探すときの注意点を解説いたしました。
譲渡等は個人間で行われることも多いため、法律に違反していても気付かれにくいという点があるのは確かです。しかし、譲渡後のトラブルなどで発覚することも多いので、本コラムで解説した事項は守るようにしてください。