近所の猫に車を傷つけられた
・近所の飼い猫が車のボンネットに乗って引っかき傷がついてしまった
ご近所で猫を飼われている方がいる場合、放し飼いにしていると猫が車に乗ることがあります。その際に爪によって引っかき傷ができてしまうと修理費等困るものです。「動物がやったことだから…」と泣き寝入りしてしまう前にできることがあります。
本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。
ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。
本コラムでは猫に車を傷つけられてしまったときにできることを解説いたします。読んでいただくことでもしもの場合に迅速に対応することができます。
結論を言うと、猫の飼い主さんに損害賠償の請求をすることが出来る可能性があります。
動物の占有者に損害賠償を請求出来る可能性がある
民法の第七百十八条に次のような規定があります。
第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
民法 | e-Gov法令検索
動物の占有者等の責任です。通常、猫の占有者は飼い主さんなので飼い主さんには賠償責任があります。なお、知人に猫を預けており、その知人が猫を抱きかかえながら散歩をしていたところ急に猫が腕から飛び降り、停まってある車や自転車に傷をつけたといった場合は知人が占有者ということになるのでその知人に責任があります。
請求できない場合
野良猫等は占有者がいない為誰にも請求できません。野生動物がしてしまったことということで諦めるしかありません。同じことが起きないように、その動物が嫌うニオイを出すものなどで近づかせないようにしましょう。
また、近所の人が野良猫に餌をあげていて、それによって集まった野良猫によって車を傷つけられたといった場合であっても、ただ餌をあげていた近所の人が占有者とは言えない可能性が高いため、請求はできないと考えるのがふつうです。
おわりに
本コラムでは猫に車を傷つけられた時に出来ることを解説いたしました。
近所に野良猫をよく見るような場合は傷つけられる前に猫よけの対策をしておきましょう。また、猫の飼い主さんは放し飼いをする際はご自身の所有する敷地の外には行かないように注意して下さい。トラブルに発展してしまっては、いずれにせよ安くないお金がかかります。少しのコストを予防に投じることでこれらを避ける可能性を高めることができます。
