動物の飼養・収容許可とは:指定地域での頭数制限

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はじめに

Q
動物の飼養・収容許可って何?
A

あまり知られていませんが、指定区域特定の種類の動物一定頭数以上飼養・収容する場合は都道府県知事の許可を取らなければいけません。怠った場合、罰則もあります。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムでは動物の飼養・収容許可に関して解説いたします。

化製場等に関する法律

ブリーダーやペットショップを営んでいる方、又は個人の方でも例えば犬を10頭以上飼養あるいは収容する際はお気をつけください。最悪の場合懲役又は罰金を受ける可能性があります。

化製場等に関する法律によると一定の区域内において、特定の種類の動物条例で定める数以上に飼養又は収容する場合は、動物の種類ごとに都道府県知事の許可を受けなければいけません。

第九条 都道府県の条例で定める基準に従い都道府県知事が指定する区域内において、政令で定める種類の動物を、その飼養又は収容のための施設で、当該動物の種類ごとに都道府県の条例で定める数以上に飼養し、又は収容しようとする者は、当該動物の種類ごとに、その施設の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない

化製場等に関する法律 | e-Gov法令検索

そして、この際に取らなければいけない許可が動物の飼養・収容許可となります。

動物の飼養・収容許可

化製場等に関する法律の規制を受けるかどうかのポイントは次の3つになります。

  1. 指定区域
  2. 政令で定める動物
  3. 条例で定める数

各ポイントに関して解説いたします。

指定区域

どこが対象の区域かどうかは各都道府県によりますので、ホームページ等をご参照ください。東京都の場合は「東京都動物愛護相談センター 畜舎又は家禽舎を設置される方へ」に記載があります。

例えば東京都では、立川市全域、武蔵野市全域など細かい指定がされています。

政令で定める動物

政令で定める動物は次のようになります。

  1. めん羊
  2. やぎ
  3. 鶏 (30日未満のひなを除く)
  4. あひる (30日未満のひなを除く)
  5. その他都道府県の条例で定める動物

ペットショップなどでは犬が主に対象になります。

動物の種類ごとの条例で定める数

こちらも各都道府県の条例によります。東京都の場合は次のようになります。

動物の種類
1頭
1頭
1頭
めん羊 4頭
やぎ 4頭
10頭
鶏 (30日未満のひなを除く) 100羽
あひる (30日未満のひなを除く) 50羽

飼養施設の構造設備の基準

以下は東京都での基準となります。

畜舎の構造設備の基準

次の基準を満たさなければいけません。

  1. 床は、不浸透性材料で作られ、これに適当な勾配と排水溝が設けられていること
  2. 内壁は、飼養し又は収容する動物の種類に応じ適当な高さまで、清掃に支障を来さない材料で作られ、かつ、清掃に支障を来さない構造を有すること
  3. 内部は、清掃に支障を来さない適当な広さと高さを有すること
  4. 床の周辺の地面で、汚物又は汚水が飛散するおそれがある箇所は、不浸透性材料で被覆され、これに適当な勾配と排水溝が設けられていること
  5. 洗浄用水を十分に供給することができる給水設備が設けられていること
  6. 汚物処理設備として、汚物だめ及び汚水だめを有すること。ただし、汚水の浄化装置が設けられている場合又は汚水を終末処理場のある下水道に直接流出させることができる場合には、汚水だめを有することを要しない
  7. 汚物だめ及び汚水だめは、不浸透性材料で作られ、かつ、密閉することができる覆いが設けられていること
  8. 畜舎から汚水だめ、汚水の浄化装置又は終末処理場のある下水道に通ずる排水溝が設けられていること
  9. 排水溝は、不浸透性材料で作られ、かつ、適当な覆いが設けられていること
  10. 魚介類の臓器、食物の残廃物等を調理して飼料として用いる畜舎で、調理に際して著しい臭気を発するものにあつては、次の要件を備える飼料取扱室を有すること
    要件はこちら
  11. 床は、不浸透性材料で作られ、これに適当な勾配と排水溝が設けられていること
  12. 換気扇を備えた排気装置その他臭気を適当な高さで屋外に放散することができる設備が設けられていること
  13. 洗浄用水を十分に供給することができる給水設備が設けられていること
  14. 密閉することができ、かつ、飼料の取扱量に応じ、適当な容積の容器が備えられていること

家禽舎の構造設備の基準

次の基準を満たさなければいけません。

  1. 内部は、清掃に支障を来さない適当な広さと高さを有すること
  2. 鶏の家禽舎の床は、砂浴場の部分を除き、清掃に支障を来さない材料で作られ、かつ、容易に採ふんできる構造を有すること
  3. あひるの家禽舎の床は、不浸透性材料 (バタリー式の家禽舎にあつては、不浸透性材料又は板) で作られ、これに適当な勾配と排水溝が設けられていること
  4. あひるの家禽舎には、洗浄用水を十分に供給することができる給水設備が設けられていること
  5. 汚物処理設備として、鶏の家禽舎にあつては汚物だめを、あひるの家禽舎にあつては汚物だめ及び汚水だめを有すること。ただし、汚水の浄化装置が設けられている場合又は汚水を終末処理場のある下水道に直接流出させることができる場合には、汚水だめを有することを要しない
  6. 汚物だめ及び汚水だめは、不浸透性材料で作られ、かつ、密閉することができる覆いが設けられていること
  7. 家禽舎から汚水だめ、汚水の浄化装置又は終末処理場のある下水道に通ずる排水溝が設けられていること
  8. 排水溝は、不浸透性材料で作られ、かつ、適当な覆いが設けられていること
  9. 魚介類の臓器、食物の残廃物等を調理して飼料として用いる家禽舎で、調理に際して著しい臭気を発するものにあつては、次の要件を備える飼料取扱室を有すること
    要件はこちら
  10. 床は、不浸透性材料で作られ、これに適当な勾配と排水溝が設けられていること
  11. 換気扇を備えた排気装置その他臭気を適当な高さで屋外に放散することができる設備が設けられていること
  12. 洗浄用水を十分に供給することができる給水設備が設けられていること
  13. 密閉することができ、かつ、飼料の取扱量に応じ、適当な容積の容器が備えられていること

規制の対象外となる施設

区域、動物、数が規定に当てはまった場合は、動物の飼養・収容許可を取らなければいけませんが、一部施設は例外として適用されません。

適用外の施設は次のようになります。

  1. 家畜取引法に規定する家畜市場
  2. 競馬法に規定する競馬場
  3. 家畜共進会、家畜博覧会その他臨時的に開催される催物に設けられる施設で本コラムの「政令で定める動物」に掲げる種類の動物を飼養し又は収容するもの

おわりに

本コラムでは動物の飼養・収容許可に関して解説いたしました。

化製場等に関する法律は聞き慣れない法律ではありますが、規定されている以上は守るようにしてください。

各自治体の条例に委譲している箇所がいくつかありますので、詳細はご自身が住んでいる自治体のホームページ等をご参照ください。

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