獣医師が動物病院を開業するのに必要な手続きや設備等を解説

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動物病院の開業

現在ペットの数はとても増えており、子供の数より多いと言われています。

そして、ペットも体調を崩すことがありますし、犬や猫であれば去勢や不妊手術が必要です。そうなると動物病院は不可欠になります。外を歩いていても動物クリニックをよく見かけます。

では動物病院を開業するためにはどんな手続等が必要なのでしょうか。大まかには次のようになります。

動物病院開業に必要な事項概要
  • 届出
    診療施設開設の届出
  • 設備
    診療施設の構造設備の基準
  • 管理
    管理者の遵守事項
  • 登録
    第一種動物取扱業の登録

各事項について解説していきます。

診療施設開設の届出

診療施設を開設した場合は、その日から10日以内に都道府県知事に診療施設開設の届出を行わなければいけません。診療施設を休止、廃止、届出事項の変更をした場合も同様です (獣医療法 | e-Gov法令検索)。

届出をしなかったり、虚偽の届出をしてしまうと20万円以下の罰金という規定もあります。10日以内と短いので忘れずに届出を行って下さい。

診療施設開設届の記載事項

次に掲げるのは記載事項の一部になります。

  1. 開設者の氏名及び住所 (法人の場合は名称及び主たる事務所の所在地)、開設者が獣医師の場合はその旨
  2. 診療施設の名称
  3. 開設の場所
  4. 開設の年月日
  5. 診療施設の構造設備の概要及び平面図
  6. 管理者の氏名及び住所 (開設者が獣医師であり診療施設を管理している場合はその旨)
  7. 診療の業務を行う獣医師の氏名
  8. 診療の業務の種類
  9. 開設者が法人である場合は定款

上記に加え、エックス線発生装置や診療用高エネルギー放射線発生装置を備える場合は、記載事項が追加されます。エックス線発生装置の場合は、制作者名や型式、台数などです。

診療施設の構造設備の基準

診療施設は農林水産省令で掲げる基準をクリアしたものでなければいけません。

次の基準を掲げています。

  1. 飼育動物の逸走を防止するために必要な設備を設けること
  2. 伝染性疾病にかかっている疑いのある飼育動物を収容する設備には、他の飼育動物への感染を防止するために必要な設備を設けること
  3. 消毒設備を設けること
  4. 調剤を行う場合は次のとおりにすること
    要件はこちら

    ・採光、照明、換気を十分にし、清潔を保つこと

    ・冷暗貯蔵のための設備を設けること

    ・調剤に必要な器具を備えること

  5. 手術を行う施設は、その内壁及び床が耐水性のもので覆われたものであること及びその他の清潔を保つことができる構造であること

これらに加えて、放射線に関する構造設備の基準が別で設けられています。

管理者の遵守事項

診療施設の管理者が遵守すべき事項が次のように定められています。

  1. 飼育動物の収容設備には、収容可能な頭数を超えて収容しないこと
  2. 収容設備でない場所に飼育動物を収容しないこと
  3. 飼育動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずること
  4. 収容設備内における他の飼育動物への感染を防止するために必要な措置を講ずること
  5. 覚醒剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、医薬品医療機器等法の規定に違反しないよう必要な注意をすること
  6. 常に清潔を保つこと
  7. 採光、照明、換気を適切に行うこと

これらに加えて、放射線に関する遵守事項が別で設けられています。

また、診療施設で勤務する獣医師や他の従業員を監督し、必要な注意をしなければいけません。

第一種動物取扱業の登録

これは動物病院の形態によりますが、動物を預かる場合は第一種動物取扱業の保管業として登録を受ける必要がある場合があります。

第一種動物取扱業に関しては以下のコラムで詳細に解説しております。

おわりに

本コラムでは獣医師が動物病院を開業するのに必要な手続きを解説いたしました。

動物病院の開業には多くの準備が必要です。今回解説したのはあくまで手続きに関するものであり、これら以外にも従業員の確保や、建物を契約することなど様々な事項があります。

手続きが忙しくて困難な場合は、是非ペット法務専門の当事務所にご依頼ください。

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