多頭飼育に関する条例と届出:地域別規制と手続き

ペットトラブル
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はじめに

Q
ペットを多頭飼育してるけど、何か許可が必要なの?
A

犬や猫を多頭飼育する場合、飼育する頭数によって届出が必要となる場合があります。自治体によって異なっており、届出が不要な自治体もあります。

犬や猫を複数飼育する飼い主さんがいます。1頭で飼育する場合と比べて、飼い主さんが留守にしている時間が長くてもペットが他の子と遊ぶことで寂しさを感じにくいといった利点があります。また、捨てられてしまった子や野生の子をお迎えしているうちに、いつの間にか何頭も飼育しているといったこともあるかもしれません。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムでは多頭飼育に関する条例と届出に関して解説いたします。自治体にもよりますが、多頭飼育に関して届出制を実施していることがあり、罰則も規定されている場合があります。

条例による規制

自治体によっては多頭飼育を条例で規制している場合があります。制限頭数も自治体によって異なります。

千葉県の動物愛護条例

千葉県では10頭以上の犬又は猫を飼養する場合、多頭飼養の届出を行わなければいけません。

第十四条 犬又は猫の飼養又は保管をする者は、その(生後九十一日未満の犬を
除く。以下この項において同じ。)又は(生後九十一日未満の猫を除く。以下
この項において同じ。)の数(犬及び猫の飼養又は保管をする場合にあっては、
これらの数を合算した数)が一の飼養施設において十以上となったときは、三十
日以内に、飼養施設ごとに、規則で定めるところにより、規則で定める書類を添
付して、次の各号に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
千葉県動物の愛護及び管理に関する条例

なお、上記の規定は県内の一部の市は除かれています。その他動物取扱業者の場合や、別の法律に基づく届出が行われている場合等も除外されています。

犬又は猫を10頭以上飼養する場合は、30日以内に多頭飼養の届出を行わなければならず、怠ると5万円以下の過料に処されます。

石川県の動物愛護条例

石川県では6頭以上の犬又は猫を飼養する場合、多頭飼養の届出が必要になります。

第十六条 犬又は猫の飼い主(動物取扱業者、化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)第九条第一項の規定による許可を受けた者その他規則で定める者を除く。)は、その犬又は猫(生後九十一日未満の犬又は猫を除く。以下この項において同じ。)の数(犬及び猫の双方の飼養又は保管をする場合にあっては、これらの数を合算した数。以下「飼養数」という。)が一の飼養施設において六以上となったときは、三十日以内に、その飼養施設ごとに、規則で定めるところにより次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
石川県動物の愛護及び管理に関する条例

千葉県のものと同様に一部適用除外の規定があります。

犬又は猫を6頭以上飼養する場合は30日以内に届出を出さなければならず、怠ると5万円以下の過料となります。

関連した法律

似た規定を持つ法律として化製場等に関する法律というものがあります。この中で、指定区域において特定の種類の動物を一定数以上飼養する場合は飼養・収容の許可を取らなければいけません。

先の例に挙げた千葉県や石川県の条例では、この許可を取得している場合は改めて多頭飼養の届出を出す必要はありません (犬に限る)。

動物の飼養・収容許可

犬を10頭以上取り扱う場合は、地域によっては動物の飼養・収容許可を取らなければいけません。

動物の飼養・収容許可とは一定の地域で特定の種類の動物を条例で定める数以上扱う場合に受けなければいけない許可になります。この特定の種類の動物の中に犬が入っています。猫の場合は不要です。詳細は以下のコラムで解説しております。

おわりに

本コラムでは多頭飼育に関する条例と届出に関して解説いたしました。

自治体によって届出が必要な場合とそうでない場合が変わりますので、詳細は各自治体までお問い合わせください。多頭飼育を規制する条例の目的は多頭飼育崩壊の防止です。お世話が十分にできる頭数を飼育し、厳しそうであれば追加で飼育することは止めましょう。

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