はじめに
- Qペット不可のマンションだけど、内緒で飼えばバレないよね?
- A
ペット不可のマンションでペットを内緒で飼うのはおすすめしません。結構な確率でバレますし、最悪の場合賠償請求や退去を求められることになります。
日本の賃貸物件はペット不可とされていることが多いです。実際、賃貸物件を探そうと某有名賃貸物件検索アプリなどで検索をかける際に、ペット可の項目にチェックを入れるとかなりの数が減ってしまいます。
そして、ペット可の物件だと築浅のものは少なく、新築や築浅のキレイな物件に住みたいとなると中々難しいでしょう。では、ペットは不可とされているけど、仔犬や小型のペットならバレないんじゃないか?と思われる方がいるかもしれませんが、もしバレたら大変なことになります。
本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。
ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。
本コラムでは実際バレるの?といった実情から、バレた際にどういうことになるかについて解説します。読んでいただくことで、リスクなどを理解していただけると思います。
結論、ペット不可物件でペットを内緒で飼うのはかなりリスキーです。下手すると損害賠償や強制退去といったこともあり得ます。
なぜペット可物件が少ないのか
ペット可物件が少ない理由
そもそも論ですが、なぜペット可物件は少ないのでしょうか。
理由は主に2つです。1つはペット可にすることで余計な傷や汚れを残される可能性があがるから。2つ目はニオイや鳴き声等でご近所に迷惑がかかる可能性が高まるからです。
賃貸人側の要望
賃貸物件にはオーナーさんがいて、オーナーさんは毎月の家賃収入を得ています。貸し出している部屋は今住んでいる人の次にも別の人が住んで、また別の人が住んでとできるだけ途切れず人が入っていてくれるのが望ましい形になります。
つまり、部屋はできるだけきれいに使ってくれるほうがありがたいし、近所に迷惑をかけない人の方がより望ましいのです (近所に迷惑をかけていると、その人が出ていった後でも嫌な噂だけ残ってしまい、部屋に人が集まり辛くなる可能性があります)。
賃貸人に理解があるか、築浅でない事が多い
よって必然的に賃貸物件等でペット可のものは、オーナーさんがペットの所有に関して特別理解のある方であるか、ペット可の条件をつけないと、それ以外の条件では選ばれづらい (≒ 築浅でない) 物件であることが多いです。
なお、一軒家を賃貸で借りることができる場合があります。この場合でも築浅というのは難しいですが、一軒家の場合はペット可のものがそれなりにあります。何より広いです。
内緒でペットを飼うのは絶対禁止
結論
ペット不可物件で内緒で飼うのは絶対に止めてください。
賃貸物件を借りる際は賃貸借契約を結びます。ペット不可物件の場合はもちろんペットの持込に関しての規約もあるでしょう。その内容に同意をして契約を結び、入居したのですがから義に反する行為はすべきでありません。ただの契約違反です。
また、ペットを内緒で飼っていても意外とバレます。
内緒で飼うペットがバレてしまう理由
では、なぜ内緒で飼うペットでもバレるのでしょうか。
散歩が十分にできない
まず第一に犬等を飼う場合は散歩はどうするのでしょうか。完全室内犬とすればいいのではとの意見もあるかもしれませんが、一部の犬種を除いて、散歩をさせないと犬の健康に被害が出て、寿命も短くなります。飼い主の身勝手な理由で犬の寿命を短くするなど本末転倒です。ストレスが貯まると吠えることが多くなったり行動に異常がでることがあります。
エサやケージ等ペット用品
ペット用のエサやケージなどもそうです。エサやペット用品を購入して、例えばマンションの自分の部屋に行くまでに誰にも見られない生活を続けられるでしょうか。ゴミ出しのときもペットのエサのゴミが出ていればまず疑われます。
おしっこ等のにおい
ニオイはどうでしょうか。うまくペットシートも隠して持ち込んだとして、ペットだって毎日排便排尿をします。溜まったゴミはニオイを出します。地域によってはいつでもゴミを出せるところもありますが、毎週何曜日と決まっていればその日以外は出せないので部屋の中に置いておかなければいけません。ニオイが嫌でゴミを出す日までベランダ等に置いておくと一発でニオイでバレます。
鳴き声
鳴き声もそうです。ペット可物件であれば通常の部屋より防音設備がしっかりしていたり、他の方もペット可であることを了承して入居しているので多少の鳴き声はお互い様です。しかし、ペット不可物件であれば動物の鳴き声が聞こえたら管理会社に通報されるかもしれません。まったく鳴かずに育てるというのも動物にストレスを与える要因になります。
動物病院
ペットの体調が悪くなった時は動物病院につれていかなければいけないこともご留意ください。ペット不可物件でペットを飼うことがいかに非現実的かがわかります。
仮に内緒で飼ったけど奇跡的にバレなかったとしても退去時にバレます。当サイト管理人の知り合いには退去時に部屋をチェックする業者さんがいます。彼に聞いたことですが、ほぼ間違いなくすぐバレるそうです。詳しくは書けませんが、動物の毛は知らず知らずのうちに色んなところに飛散します。
バレたら損害賠償請求されるかも
規約等に違反してペットを内緒で飼っていることがバレた場合、オーナーさんの意向にもよりますが、以下のような対応となります。
修繕費の支払い
ペットを飼っていたことによってニオイや傷などがついていると認められると原状回復のためにも別途修繕費を請求される可能性があります。そもそもペット不可の物件ですから、こういった修繕費用は高額になるケースもあります。
損害賠償請求
ペット不可物件の賃貸借契約上、ペットを飼育した場合に関する規定があると想定できますので、違約金として損害賠償請求を受ける可能性があります。
強制退去
これも同様に契約違反をしたわけですから、オーナーさんからすればそんな人にはもう住んでほしくないですよね、契約にもよりますが強制退去を迫られる可能性もあります。とはいえいきなり強制退去というよりは、おそらくは始めに一定期間内にペットを飼うのを止めるよう催告が来ます。ペット飼うのを止めないと契約を解除しますよーという書面です。この期間内に止めないと民法によって賃貸借契約の解除となります 。
どうしても飼いたいときは
ペット可物件を探すのが原則
まずはペット可の物件を探しましょう。築浅とかは人間側の要求ですが、ペットと一緒に暮らしたいのであればそのあたりはある程度我慢が必要です。
ペット可であってもちゃんと確認をとりましょう。小型犬1頭のみ可や、猫のみ可などペットの種類や数を制限していることはよくあります。必ずオーナーさんか、不動産業者に確認を取って、自分が今飼っている、あるいは将来飼いたいペットが認められるか確証を取りましょう。
賃貸人との交渉
今ペット不可の物件に住んでるけど、そこでペットを飼いたい方はダメ元ですがオーナーさんに直接交渉してみるのもありです。個人オーナーさん等であれば普段からきれいに部屋を使っていて、今まで滞納もなく、仲良くしていればOKを貰える可能性もあるかもしれません。
おわりに
日本は中々ペット可の物件が少ないので、ペットを飼いたいけど飼えないという方は一定数いると思います。
しかし、ペット不可の物件にはちゃんとした理由があってのことですのでルールは守りましょう。もし内緒で犬を飼って、犬アレルギーの人がお隣さんだったらトラブルになるかもしれません。「ペットを飼いたい」というのは人間側の勝手な欲求です。人間のエゴで不適切な飼育をするのはやめてください。
ちなみに、「友達のペットを一時的に預かった」でも契約違反であることが多いのでお気をつけください。