各都道府県別の犬猫の殺処分数を解説 | 殺処分ゼロのからくり

日常
東京都江東区のペット法務専門行政書士事務所です。
お気軽にお問い合わせ下さい。

犬猫の殺処分

Q
各都道府県の殺処分の状況は?東京都の殺処分ゼロは本当?
A

各都道府県の犬猫の引き取り、処分の状況は本コラムで紹介いたします。また、東京都の場合は殺処分という言葉の解釈を変えることで殺処分ゼロとしています。

放棄された動物や、あってはいけませんが飼育が困難になった動物の一部は保健所に引き取られます。そして一定期間新しい飼い主が見つからない場合は殺処分となってしまいます。人のエゴによって動物の命がなくなってしまうのはとても許容できることではありませんが、現実を見るためにも本コラムでは各都道府県での処分状況を解説いたします。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

各都道府県の処分状況を紹介した後、東京都の殺処分ゼロに関して解説いたします。

都道府県別処分状況

各都道府県での処分状況を紹介します。なお、殺処分とは次の分類を合わせたものです。

  1. 譲渡することが適切ではない(治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等)
  2. ①以外の殺処分(譲渡先の確保や適切な飼養管理が困難)
  3. 引取り後の死亡

より詳細な分類は環境省の統計資料をご参照ください。

犬の処分状況

都道府県 引き取り数 返還数 譲渡数 殺処分数
北海道 293 125 159 6
青森県 217 94 92 32
岩手県 177 92 72 16
宮城県 243 175 69 12
秋田県 91 24 55 34
山形県 60 47 12 1
福島県 273 135 85 57
茨城県 1047 131 885 25
栃木県 675 154 431 53
群馬県 381 196 140 45
埼玉県 364 228 114 20
千葉県 724 349 291 112
東京都 120 53 52 11
神奈川県 245 91 124 3
新潟県 127 82 38 7
富山県 52 40 12 2
石川県 115 58 50 5
福井県 37 18 17 1
山梨県 310 225 75 4
長野県 286 212 70 4
岐阜県 299 170 94 36
静岡県 161 101 60 0
愛知県 874 204 530 154
三重県 331 247 85 5
滋賀県 231 60 106 65
京都府 41 9 25 6
大阪府 120 22 76 19
兵庫県 99 21 31 44
奈良県 164 21 114 31
和歌山県 175 50 74 46
鳥取県 88 51 31 5
島根県 87 50 27 7
岡山県 235 41 141 7
広島県 989 37 863 73
山口県 1056 72 960 14
徳島県 761 113 387 248
香川県 1001 93 661 238
愛媛県 358 9 159 172
高知県 93 27 51 8
福岡県 575 324 220 29
佐賀県 165 91 56 13
長崎県 541 68 259 215
熊本県 703 209 432 83
大分県 280 103 104 67
宮崎県 528 321 180 34
鹿児島県 611 278 244 65
沖縄県 763 237 472 19

猫の処分状況

都道府県 引き取り数 返還数 譲渡数 殺処分数
北海道 686 6 639 22
青森県 347 0 69 263
岩手県 502 3 329 155
宮城県 726 6 506 176
秋田県 613 1 346 395
山形県 112 0 57 55
福島県 1121 14 214 891
茨城県 939 6 776 194
栃木県 105 0 82 25
群馬県 462 0 253 209
埼玉県 566 1 422 147
千葉県 1014 7 782 164
東京都 150 0 111 28
神奈川県 342 1 265 14
新潟県 1024 7 838 137
富山県 71 2 71 3
石川県 229 1 210 25
福井県 405 2 372 59
山梨県 252 0 206 46
長野県 521 4 438 76
岐阜県 1208 3 772 424
静岡県 84 0 72 12
愛知県 283 4 233 46
三重県 151 2 128 20
滋賀県 314 0 129 185
京都府 197 2 60 127
大阪府 154 0 74 69
兵庫県 512 0 206 308
奈良県 480 2 151 323
和歌山県 372 0 153 218
鳥取県 115 0 104 10
島根県 138 0 84 56
岡山県 210 0 165 38
広島県 284 1 252 12
山口県 237 2 195 55
徳島県 119 3 76 28
香川県 365 4 302 42
愛媛県 386 0 123 241
高知県 188 0 13 177
福岡県 296 12 157 122
佐賀県 160 0 118 50
長崎県 389 0 77 315
熊本県 152 0 102 7
大分県 531 3 194 301
宮崎県 399 0 295 94
鹿児島県 341 1 189 136
沖縄県 192 0 150 26

東京都の「殺処分ゼロ」のからくりとは?

東京都では殺処分がゼロであると謳っています。本当にそうなのでしょうか。東京都が出している資料が次のものです。

東京都統計 東京都保健医療局

このように東京都は独自の解釈基準を設けております。また、「殺処分」ではなく「致死処分」という別の言葉を用いています。

東京都の基準の①は国の基準の①に相当しそうです。また、東京都の②は国の③に相当します。これは引き取ったものの衰弱しており死亡してしまった場合や怪我をしていたり幼く体が弱かったためお世話をしたものの亡くなってしまったケースです。国では殺処分の分類に入りますが東京都ではそうとはしていないようです。

以上のように殺処分という言葉を、別の致死処分という言葉に置き換えており、③の致死処分に該当するケースのみを殺処分と再定義しているようです。これが殺処分ゼロのからくりになります。

おわりに

本コラムでは各都道府県における犬猫の処分状況を紹介し、東京都の殺処分ゼロのからくりに関して解説いたしました。

殺処分ゼロは目指すべきポイントですが、見せかけの殺処分ゼロでは意味がありません。この言葉が道具として使われてしまうことを危惧しております。また、ペットを飼うときは終生飼養が原則ですし、業者においても命を扱っていることに重々留意をするようにしてください。

タイトルとURLをコピーしました