第一種動物取扱業者の遵守事項と実務上の注意点

事業者さん向け
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はじめに

Q
第一種動物取扱業者として登録された後に守らなければいけないこととは?
A

第一種動物取扱業者として登録された後に遵守すべき事項がいくつかあります。販売業は特に規定が多く、他の種別であっても一部を除き、帳簿の備え付けと定期報告届出を行う必要があります。

第一種動物取扱業の登録を受けて営業を開始した後であっても遵守しなければいけない事項があります。動物を不当に扱う業者もいることから、制度が強化されていますので既に第一種動物取扱業を営んでいる場合でも方針に準じているかを確認してください。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

主に販売業の方に対するものと、販売業、貸出し業、展示業、譲受飼養業の方に対するものとに大別して解説いたします。本コラムでは東京都を例に記載しております。

販売業の遵守事項

現物確認・対面説明と犬猫等販売業に関するものがあります。

現物確認と対面説明

動物の販売にあたり、購入しようとする者に対しその事業所において、動物の現在の状態を直接見せ (現物確認)、18項目の重要事項を対面で文書等を用いて説明する (対面説明) 必要があります。

これは第一種動物取扱業者以外への販売を行う小売業者が対象です。現物確認はカメラを使用した映像等による確認方法は認められません

具体的な説明事項に関しては以下のコラムで解説しております。

犬猫等販売業者の遵守事項

犬猫等販売業者の遵守事項は以下の5つになります。

  1. 犬猫等健康安全計画の策定及び遵守
  2. 幼齢の犬猫の販売等の制限
  3. マイクロチップの装着・登録
  4. 獣医師等との連携及び終生飼養の義務付け
  5. 犬猫等の販売時における追加説明事項

犬猫等健康安全計画の策定及び遵守

犬猫等販売業者は「犬猫等健康安全計画」を作成し、これを遵守しなければいけません。

現在の状況によって必要となる様式は次のようになります。

状況 様式
販売業で新規登録申請をする方で、犬猫等を販売する場合 様式第一別記二:犬猫等健康安全計画
既に販売業を営んでいて、新たに犬猫等を販売しようとする場合 様式第六の二:犬猫等販売業開始届出書

主な記載内容は次の3つになります。

  1. 幼齢の犬猫等の健康及び安全を保持するための体制の整備
  2. 販売の用に供することが困難となった犬猫等の取扱い
  3. 幼齢の犬猫等の健康及び安全の保持に配慮した飼養、保管、繁殖及び展示方法

幼齢の犬猫の販売等の制限

犬猫等販売業者で繁殖を行う者は、出生後56日を経過しない犬猫の販売及び販売のための引渡し又は展示を行うことは禁止されています。いわゆる8週齢規制です。

第二十二条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない
動物の愛護及び管理に関する法律 | e-Gov法令検索

ただし、犬猫等販売業者が、幼齢の犬猫を親兄弟と一緒に飼養している状況で、購入予定者に見せる場合は例外となります。

マイクロチップの装着・登録

動物愛護法第三十九条の二の規定により、犬猫等販売業者は新たに取得した犬猫に対してマイクロチップを装着しなければいけません。また、同法第三十九条の五の規定により、装着から30日以内に登録も行う必要があります。

詳細は以下のコラムで解説しております。

獣医師等との連携及び終生飼養の義務付け

犬猫等販売業者は、獣医師との適切な連携及び終生飼養を確保しなければいけません。

犬猫等の販売時における追加説明事項

飼い主への適正飼養・終生飼養の啓蒙のため、販売時に行わなければいけない説明に加えて、「飼う前に必ず確認すべき10のこと」を書面を交付して説明しましょう。

販売業、貸出し業、展示業、譲受飼養業の遵守事項

販売業、貸出し業、展示業、譲受飼養業の方は動物に関する帳簿の備付け定期報告届出を行わなければいけません。

帳簿の備付け

記載方法は以下になります。

取扱動物 記載方法
犬又は猫 所有し、又は占有する犬猫の個体ごとに記載
犬猫以外 所有し、又は占有する動物の品種等ごとに記載

保存期間は5年間であり、求めに応じて見せられるのであれば電磁的方法での保存も認められます。

定期報告届出

動物販売業者等は取り扱う動物の数について毎年度定期報告を行わなければいけません。

死亡数の増加等により、不適正飼養等が疑われる場合は、都道府県から検案書及び死亡診断書の提出を命じられることがあります。

おわりに

本コラムでは第一種動物取扱業者の遵守事項と実務上の注意点に関して解説いたしました。

制度は強化されていますが、動物の適正な飼養と管理のためのものです。本コラムで解説した事項を遵守し、適正に業を営むようにしてください。

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