ペットフードの原材料名表示義務とは?規定と法的要件を解説

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はじめに

Q
ペットフードには原材料名等の表示義務はあるの?
A

ペットフードにも原材料名の表示義務があります。違反すると罰則を受ける可能性もあります。

人が食べる食品等には原材料の種類や食品添加物などの表示が義務付けられています。

第五条 食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない。

食品表示法 | e-Gov法令検索

食品表示法では人が接種する食品の安全性の確保等を目的としていますが、犬や猫が食べるペットフードにはこういった規定はあるのでしょうか。

本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。

ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。

本コラムではペットフードの原材料名表示義務に関して解説いたします。

ペットフードに関する規定

ペットフード安全法

食品表示法には動物に対する規定はありませんが、通称ペットフード安全法という法律に規定があります (正式名称「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」)。

このペットフード安全法には次の規定があります。

第六条 前条第一項の規定により基準又は規格が定められたときは、何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
(中略)
 当該基準に合う表示がない愛がん動物用飼料を販売すること。
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律 | e-Gov法令検索

「前条第一項の規定により基準又は規格」という箇所は第五条のことを指しており、そこでは要約すると、ペットの健康が害されることを防ぐために、農林水産省令・環境省令でペットフードの製造の方法や表示につき基準を定めることができる。とあります。

表示の基準

そして、「愛玩動物用飼料の成分規格等に関する省令」というもので、この表示の基準として次に掲げる事項を表示しなければならないと定められています。

  1. 販売用愛玩動物用飼料の名称
  2. 原材料名
  3. 賞味期限
  4. 製造業者、輸入業者又は販売業者の氏名又は名称及び住所
  5. 原産国名

このようにペットフードであっても原材料名等の表示義務があることがわかります。

罰則

なお、表示義務があるにもかかわらず、表示せずに販売等を行った場合は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金という罰則規定もありますので、ペットフードの販売等を行おうと考えている方はご注意下さい。

第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第六条の規定に違反した者
(以下略)
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律 | e-Gov法令検索

おわりに

本コラムではペットフードの原材料名表示義務に関して解説いたしました。

愛玩動物に関する法整備は以前よりはかなり進みましたが、それでもまだまだ整備が必要なところはたくさんあります。

ペットの健康に直結するペットフードに関する規定ですので事業者の方は必ず守るようにしてください。

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