個人宅でのペット預かり
- Q個人宅でペットを預かってくれるところがあるけど大丈夫?
- A
有償で預かる場合は第一種動物取扱業の登録をしていないと無登録営業となります。安全な業者かどうかは登録の有無や契約書などをチェックして確かめましょう。
旅行やちょっとしたお出かけでペットを一緒に連れていけないときはペットホテルなどに預けることがあります。しかし、ペットホテルだと1日で4〜5000円ほどかかってしまい安くはありません。最近ではペットシッター等が増えてきており、ペットホテルよりも安価で留守中のペットのお世話をお願いできます。
個人宅でペットを預かるケースも増えてきていますが、法律的に問題はないのでしょうか。また、預けたペットは適切にお世話されるのでしょうか。
本コラムはペット法務専門の行政書士が執筆しております。
ペット・動物に関する法手続きの専門家ですのでご安心下さい。
本コラムでは個人宅でペットを預かることの違法性と、安全な業者を選ぶためのチェック項目を解説いたします。
個人宅でペットを預かるのは違法か?
まずは適切にお世話をされるか以前の問題として、個人宅でペットを預かることは違法なのでしょうか。ポイントになるのは無償か有償かです。
無償の場合
無償でペットを預かる場合は特に問題になりません。ただし、個人宅の想像の限度を超え、一定頭数以上の動物を預かる場合は第二種動物取扱業の届出が必要となる場合もありますのでご注意ください。
有償の場合
有償でペットを預かる場合は、個人宅であっても第一種動物取扱業の保管業の登録を受けなければいけません。登録に先立って飼養施設を用意することになりますが、自宅を飼養施設とする場合は法令に沿った要件を満たす必要があります。
以上より、無償であれば合法、有償であれば第一種動物取扱業の登録を受けていれば合法という結論になります。
たとえ知り合いのペットをちょっと預かるだけだからと自宅で預かり、気持ちだからと謝礼を受け取ってしまっても違法です。無登録営業は罰則もありますのでご注意ください。
安全な業者を選ぶには?
違法かどうかは先述した通りですが、ペットを預けたとしても適切にお世話をしてくれるのかどうかが心配になります。100%確実に安全な業者を見分ける術はありませんが、いくつかチェックできる項目がありますので解説いたします。
第一種動物取扱業者標識の確認
有償で行っている場合は第一種動物取扱業の登録を受けているはずです。個人宅であっても標識の掲示義務がありますので確認しましょう。足を運ぶ前に確認したい場合は、メールなどで標識の写真等を送ってもらえるか聞いてみましょう。確認が取れない場合は避けたほうがよいでしょう。
第十八条 第一種動物取扱業者は、環境省令で定めるところにより、その事業所ごとに、公衆の見やすい場所に、氏名又は名称、登録番号その他の環境省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。動物の愛護及び管理に関する法律 | e-Gov法令検索
契約書を確認
実際に預ける前には契約書を交わすことになるはずです。契約書の内容をよくチェックしましょう。内容が曖昧であったり、あまりにも業者側に有利な内容である場合は避けたほうがよいでしょう。契約書がなかったり、見せるのを渋っている場合は論外です。
口コミを確認
もし、預ける予定の業者がなんらかの口コミを投稿できるサービスに登録し集客をしている場合は口コミをチェックしましょう。口コミの量や日付、ポジティブな内容とネガティブな内容、ネガティブな内容が許容できるものかなどを確認してください。サービスに登録をしていなくてもGoogleマップなどで登録があればそこでもレビューを確認できます。
相場と比較する
相場に関しては地域等によって変わってくるため、ご自身の地域での相場を調べてみましょう。相場よりあまりに安い場合は、なぜそんなに安いのかを調べたほうが良いです。全てではありませんが、安くしないと集客できないという理由の可能性もあります。安いということは設備等にあまりお金を回せていない可能性も考えなくてはいけません。
おわりに
本コラムでは個人宅でペットを預かることについて違法かどうかや、安全な業者を見分けるためのチェックポイントに関して解説いたしました。
自宅を飼養施設として第一種動物取扱業を営むのは初期コストが少なく、一般の方であっても参入障壁の低い領域になります。故に登録を受けているかや契約書、口コミ等をチェックし、大切なペットが適切にお世話されるところかどうかを確認しましょう。